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北杜市×THE NORTH FACE Trail Maintenance in HOKUTO

 秘書広報課です。
 
 北杜市が誇る、数々の山々。
 初心者から登ることのできる山も多く、登山シーズンには多くの方に登山を楽しんでいただいています。
 私も登山に魅了された者のひとり。「次の休日にはどこに登ろうか」と、胸を躍らせています。

どうして登山道は荒廃していくのか

 山に登っていると、さまざまな登山道があることに気づきます。
 こんな登山道に出くわしたことはありますか?
 「おそらく昔は登りやすかったであろうはずが、荒廃して登るのが難しい道」どうして登山道は荒廃してしまうのでしょう。

 私たちが利用している登山道は、利用者の踏圧を受け、植物がなく、くぼんだ形となっているため、雨などの水による浸食を徐々に受けています。これを放っておくと浸食が進み、登山道としては歩きにくくなるため、登山者はより歩きやすい登山道の脇などを歩くようになるのです。

 こうして、新たな場所を人が歩くことによって、そこに生えていた植物は踏圧により枯れ、土壌がむき出しになり、浸食を受けるという無限ループが繰り返されることになります。

  このループが、広範囲での植生の消失や大規模な土壌の崩壊を招くことになります。荒廃した登山道は、登山者にとって危険となるだけでなく、山の自然を、生態系をどんどん崩していってしまうのです。
 登山道整備は、生態系の保護につながる取り組みなんです!

近自然工法での登山道整備「Trail Maintenance in HOKUTO」

 北杜市とTHE NORTH FACEでは、連携事業として、近自然工法での登山道整備を行っています。

近自然工法って??

 今まで登山道を直すときは「土木工事」の考え方が使われてきました。規則正しい配置の階段が出来たり、コンクリートや石畳路面になったり、およそ自然界に存在しない構造物が施工の主流でした。
 「近自然工法」はその逆で、自然にあるもので施工し、自然に近い登山道を整備することで生態系を復元させることが目的です。

みんなで登山道修復

 昨年11月、「Trail Maintenance in HOKUTO 2022」が開催されました。修復する山は、日向山の登山道。私も大好きな山です。

昨年、地元の白州小学校の子どもたちと登った日向山での1枚

 まずは、施工箇所を見て、必要な資材のサイズを図ります。

 次に必要な資材のサイズの倒木を探します。

 太くて大きいものを選ぶと、施工が長持ちするそうです。

 紐を丸太にひっかけて運びます。

 これがかなりの重さ・・・特に水分を多く含んでいる丸太は、とにかく重い!! 腕がぁぁぁ。腰がぁぁぁ。
 弱音を吐きそうになりながらも、みんなで協力して丸太をなんとか運びました。金属の杭などは使わず、丸太を配置し、枝、落ち葉などで隙間を埋め、ステップを刻みます。

 作業をみんなで分担し、完成。

 山の中の景観を崩さない、そして植物が再生できる登山道。
 完成した時の嬉しさといったらひとしおです。

整備後の皆の笑顔

 この山の自然を守るお手伝いができた気がして、誇らしい気持ちになりました。

こちらが施工前
こちらが施工後

 整備したばかりの登山道だと自分でも気づかないくらい(笑)、自然に溶け込んでいます。
 北杜市は、市内にユネスコエコパークの登録地域が2か所ある全国でも唯一の地域です。だからこそ、自然を守り、活かしていくことが私たちの責任でもあります。
 
 私たちにできることをひとつずつ果たしながら、自然と共生する地域を目指していきたいです。