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自然の素材をそのまま生かす。老舗和菓子職人が作る無農薬スープ。八ヶ岳南麓 スープ研究所 【プチデジュ】

みなさまこんにちは。
北杜市は山梨県内で、移住者が多いエリアとしても認知されています。移住のきっかけは様々ですが、移住する理由のなかで「きれいな水」と「野菜の味」を挙げる方も多くいらっしゃいます。今回の取材は、その「野菜の味」がキーワードでしょうか。
私は、子供のころニンジンが嫌いでした。自宅のニンジンの味がどうしても馴染めなかったのです。学校給食のニンジンはいやいやですが、ギリギリ食べることができました。今現在、主に自宅(実家で栽培)の(馴染めなかった)ニンジンを食べてますが、最近やっと「ニンジンの味」を理解しました。これってわかりますか?自宅栽培のニンジンの味が、本来のニンジンの味だったのです。
本来のニンジンの味とは、(個人的感想ですが)こどもには「まずく」、大人には「おいしい」のです。では、学校給食は何処のニンジンを使ったいたのでしょう?
「本来の野菜の味が堪能できる、そんな土壌がある北杜市です!」

今回、そんな北杜市の「地野菜」に惚れ移住し、現在は、元菓子職人ながらスープづくりに「全集中!」している「八ヶ岳南麓スープ研究所」を訪ねました。

場所は、北杜市大泉町。JR小海線から更に標高の高い八ヶ岳方面に向かった森の中にあります。当日、北杜市役所は28°Cでしたがそこは23°C。なんと5°Cも違う、標高が約700m違う場所です。その場所に、5年前移住されたのが今回お話を伺った「八ヶ岳南麓スープ研究所」北原さんです。

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北原さんは、北杜市長坂町の「清春芸術村内にある洋菓子店」で修業後、「県内で有名なケーキ屋さんの店長」を務め、山梨県を代表する「老舗和菓子店」に転職、和菓子職人から、社長になった経歴を持ちます。

移住へのきっかけや、スープに込めた想いなど北原さんに聞きました。

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移住を決め、なぜ菓子をつくらずスープなのか?

若いころ「清春芸術村」に通っていたので、北杜市のことは良く知ってました。景色や気候、空気感などなど。移住というか、「ふるさと」に帰ってきた感じです。ここは、見ての通り完全に森に囲まれています。動物と共存していることを毎日肌で感じていますね。仕事をしている時から、いつかは北杜へという想いがあり、妻も賛同してくれてました。今は満喫していますよ。妻は「花粉症」アレルギーがあったのですが、その症状は解消してますし、ここに来て良かったですね。

当然、菓子づくりの技術はあるつもりです。仕事を辞めてから、しばらく菓子づくりは興味を持たなかったです。(今も。。笑)菓子づくりを知りすぎてるからかもしれないですね。色んな機材、資材が必要で、そこまで道具を揃えて、つくりたいという想いはなかったです。
スープづくりのきっかけは、私ではなく妻です。妻の母が身体を壊し、食べ物が一切のどを通らない病気に。少しでもいいから何かを食べて欲しいという想いから、妻が最初に野菜を使ったスープづくりをはじめました。妻の母が、その手作りスープだけは喜んで飲んでくれたことから、私が徐々にスープづくりに興味を持ち、一緒につくるようになりました。母が喜び飽きないスープをつくるため、色んな味を試しました。「無添加」でないと病気の母に勧められない。それが「スープへの研究?」が始まったきっかけでしょうかね。素材の選択やつくり方は菓子職人の経験を活かし、とにかく二人が納得のいくスープをつくり続けました。病弱な母ではありましたが、喜んで飲んでくれました。

菓子職人の経験をスープづくりに。スープづくりは奥深そうですね。屋号の「スープ研究所」というのは、一見固い屋号ですが、二人のスープへの想いからこの名前になったのですね。

野菜本来の味と栄養をそのままに。

北杜市産の野菜に惚れこんでいます。近くに農産物直売所があるから、いろんな野菜を堪能できてます。野菜本来の味を近くで購入できるというのは、贅沢です。直売所からスープ用の野菜等を仕入れているのですが、最初から、「無農薬」「有機栽培」の野菜にも興味を持ち、今は直接農家さんにお伺いし、土壌や栽培方法など、農家さんとお話をしながら仕入れをしています。農家さんとはかなり親しくなりましたよ。なんでもそうかもしれないのですが、農家さんそれぞれに熱い想いがあり、野菜をどうスープに活かすか、農家さんの話を聞くとより一層つくり手の想いも強くなります。職人気質が出てしまいますね。今では仕入れからスープづくりまでの主導権が私に代わってます。(笑)

野菜本来の味を活かしたスープに。ですね。私のニンジン嫌いストーリーを北原さんも納得していただけました。ニンジン一つとっても種類、土壌、育て方などなど、育った環境により、味が全く異なるそうです。
ここからはスープのつくり方についてですが。。。

普通、スープづくりは、水又はブイヨンから煮込み、できたものをミキサーにかけていきますが、一方、私は切った野菜をそのまま鍋に入れ、低温弱火で煮込んでいきます。いわゆる「蒸らし炒め」という作り方です。1個の野菜に火が通ったら次の野菜、と順番に煮込んでいきます。5種類の材料を4回に分けて入れてじっくり煮込みます。蒸らし時間も野菜により違いますが、5種類の野菜でだいたい蒸らしが95分くらい。それからブイヨンを投入し更に40分煮込むことでスープの素ができあがります。(ここからは企業秘密?)ざっくりと言うと、牛乳(八ヶ岳高原牛乳)と北杜のお米(スープの粘りの素)を入れ65°Cで(お米がぬるぬるになる温度)でゆっくり煮込む。こんな工程を経て、できあがります。独自の手法ですが、ヒントは菓子づくりの「アングレースソース」です。似てますよ。そこからヒントを得ました。当然、化学調味料も入れてませんし、塩も一切いれていないです。野菜の素材本来の味をそのまま味わっていただきたく、つくってます。

なるほど。企業秘密と書きましたが、実はつくり方を「全て」教えてくれました。しかし、企業秘密?以降、北原さんは一生懸命説明をしてくれたのっですが、私の知識不足でわからない場面が多々あり。。。すみません。時間をかけ、素材そのものの味を活かすこと、作れる量が少ないこと、菓子職人の経験を活かしていることは、良くわかりました。

お客様の反応は?

東京で、病気で何も食べられない母をもつ娘さんに「こだわっていて美味しそうだから」と購入していただきました。後日連絡があり、「母に勧めたところ、スープを飲んでくれたました!」と喜んでくれました。義母と同じ状況でした。娘さんからは「このスープは命のスープです!」と思わぬ言葉をいただき、本当に嬉しかったですね。
近所の農産物直売所で販売をしているのですが、リピーターの方が多いです。ふるさと納税から申し込まれるのもリピーターの方が増えてきました。市内パン屋さんでも販売してます。パンとは合うと思いますよ。徐々に販売していただけるお店も増えてきてますが、大量生産はしないので限界は近いです。(笑)

今後は?

スープの原料は、ニンジン、かぼちゃ、とうもろこしなどの種類があります。季節により収穫できる野菜が違うので、季節感を感じられるスープにしていきたいと思ってます。畑から直接仕入れるのは当然ですが、採れたて野菜にこだわっていきたいです。農家さんが言ってたのですが、北杜の土壌は「多孔質」(土に栄養価が含まれ安い)で、栄養が蓄積されるらしいです。故に同じ野菜でも、もっともっと美味しい野菜がこの地にはあると思います。野菜や果物など色んな食材を使ったスープづくりにチャレンジしていきたいと思ってます。

今回のお話をお伺いし、スープの素材やつくり方、こだわりなど多くを知ることができました。北杜市ふるさと納税返礼品でも取り扱ってます。
返礼品の写真の撮影に完全に「失敗!!」しました。今回の話を最初に伺っていれば。。。某市販品のスープをイメージした盛り付け写真にしてしまい本当に申し訳ありませんでした。「製品のコンセプト」や「なぜ北杜市なのか!」を聞く重要性を肌で感じました。。以下ふるさと納税へのリンクですが、市販品の味とは違います。それぞれ製品を作っている方の話を聞くことは重要です。予め訂正させていただきます。。。

ふるさと納税では、その季節の野菜などを使用した3種の「スープの詰め合わせセット」を返礼品として用意しています。リピーターが多い返礼品となります。お試しを。

                         失敗写真です↓

【執筆】ふるさと納税担当 土屋

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